2011年11月3日木曜日

3DCGアニメーションを始める

Twitterにて発言させていただいた、3DCGのアニメーション・モーションを作る上で
知っていなくてはならない基礎の一部をできるだけ「体で覚えていく」ということと
「ソフトウェアに依存しない」という2点を重要視して、書き出していこうと思います。

3DCGアニメーションをこれから始める方のお役に立てればと思います。

なお、本稿は”ゲーム系に適した省略や誇張の表現”、つまりは筆者の自論が多く含まれています。

全てに対して有効であるかなどは現在模索中でもありますし、なるべく多くの人が理解できる文章を執筆したいと思っています。

駆け出しデザイナーとは関係なく、私の文章力や理解力など至らぬ点があるとも思います。

その場合ご指摘、ご感想をTwitter;AMA_GLY mail : ikoro02*gmail.com まで頂けると幸いです。
*=@に変えて送信して下さい。

長い挨拶は私も嫌いなのでこの辺りで。


ではようこそ手付けアニメーション(キーフレーミング)の世界へ。




本日は”観察力” と ”連動” というものについて記述します。





Capter.1 3D空間でキャラクターを動かす前に

1.現実空間における物理現象を知る

”アニメーション・モーション”と聞くと大抵の方がピ○サー,ド○ームワー○スなどの
フル3Dアニメーションなどが頭に浮かぶと思います。

そしてかの素晴らしい作品群を参考にまず手付けから入ったのではないでしょうか。

しかし”真似して付けても、どうにもしっかり動いてくれない”などという場面に直面した事はないでしょうか?

これはキャラクターが”現実の空間ならばどうなるのが自然な動きなのか”という発想が
抜けている為に起こります。

例えば
なぜモーションキャプチャーの動きは3D空間上で動いてもあんなにリアルなのでしょうか?

手付けアニメですごいと呼ばれているものは、どうしてあんなに重さや空間を感じるのでしょうか?

これは”現実空間”というものを考慮しているからこそなせるものです。

3D空間上にキャラクターがあるとどうしてもキャラクターには”省略された”動きや挙動を付けてしまいがちです。

そしてそのまま3D上でずっと悩んでいても良いアニメーションは付けれません。

そんな時は一度現実の人間をよく観察しろ、と言われた事はないでしょうか。

しかし現実の挙動を観察して付けるなんて「リアルじゃないキャラクターには不自然じゃないの?」

と思う方がいると思いますが、大きな間違いです。

リアルじゃないキャラクターはあくまで現実の人間を、或いは現実にあるものに
”ディフォルメ”を行った表現の一つなのです。

これらを付けるにもきちんと”現実空間”が取り入れられないと良いアニメーションは
付けられないものです。

イラストに置き換えると解る人もいるのではないでしょうか。

絵が上手い人とは”観察力”がある人だと言われています。つまりデッサン力です。

アニメーション、モーションに至っても”観察力”は同じ様に重要です。

「じゃあ自分は絵が下手だから3DCGアニメーションは無理か。。。」

安心してください私も下手です。

しかしそんな絵が下手な私がプロになれた考え方を少しご紹介します。





 1、現実空間での人間と3D空間でのキャラクター

それではさっそくリアルの人間について。

現実空間における人間は完全に静止することはできません。
人間は常に、バランスをとり続ける為どこかが動いています。

本論ではこれらの動作を物理現象と呼びます。

例えば人間は歩く際、足から足へと重心を移動させますし、
足が接地した時や地面を蹴る時に体が沈みこんだり、浮き上がったりします。
また左右に垂れる手は前後左右に振られますし、体や顔も当然傾きます。

体の一部が地面や平面に接する時も、いきなりベタっとは付かないものですし、
まるで吸いついたかのように固まることもそうそうありません。

このような事が無意識の内に“自然“に起こっています。


2.より感覚的に現実空間の物理現象を学ぶには

              1、現実空間を再現する為の理論

学び方は諸説ありますが、私が特に注目したのは
“自分でやってみてどこがどう動くのかを確認する”ことです。

そしてこれを反復して行い、現実空間の物理現象を頭に叩き込みます。

そしてその際に重要視するのは人間の各部の動きにおける“連動”を把握することです。

3.連動とはなにか?

              1、連動とは

いきなり連動といわれても何の事かしっくりこないと思います。

連動とはもっと極端にいうと”現実の物理現象の基本となる遅れの表現”です。

2Dアニメでは”のこし”などと呼ぶあの表現方法です。

遅れとはなにかをお話する前に、
まず動きを付ける上で必要な人間の構造についてお話します。



人間の構造と言われると、美術系の学校へ行かれていた方や現在学修中の方ならば一度は目にしたあのグロテスクな人体解剖図や筋肉の流れ、そうでない方は人体模型などを想像されたと思いますが、
私はそういった構造理解ではなくパーツを別のモノに例えて把握しています。

例えば

背骨は、衝撃を吸収しやすくするためバネのような構造になっています。



つまり背骨はバネに置き換えて動きを考えます。

バネとして解釈すると次のような事が言えます。
背骨は真っ直ぐの状態から右へ引っ張れた後、元の位置に戻るには左へ行きすぎてから元の位置に戻るのが自然な動きである。




これは背骨の現実空間における物理現象の一例です。
これだけでも人間が体を右へ傾けた後、元の姿勢に戻る為に少し左へ行きすぎてから元の位置に戻るのが自然な動きだという事が解ります。

              2、”自然な動きを捉える”

ここで「いや、やろうと思えば行きすぎず元の位置へ戻れる」と思った方は、
そこが重要です。

やろうとしてできてしまう動きは、“既に自然な動きではない”ということに
注目しなければいけません。

しっくりこない動きの中にはこういう“全て自分から動かしてしまっている動き”
つまりは“無理な動き、不自然な動き”になっているものが大半なのです。

無理な動きや、不自然な動きをさせると当人はよくても、やはり見る人にとっては違和感      が解ってしまいます。

人間のパーツの自然な動きを把握することで動きを再現することが可能です。


 “自分で動いてどこがどう動くのか確認する”。
“街ゆく人を見てどのような動きが自然の中の動きなのか観察する”。

              3、連動を理解する

さていよいよ連動です。

前述では背骨の自然な動きをお話しました。
背骨は別の場所へ向かい、戻る時は逆の方向に行きすぎてから戻るのが自然であれば、
“当然その上にくっついている頭蓋骨も同様に動く”はずですね。

しかし背骨と同じタイミングで頭が元の位置に戻ると腰から頭が棒のように見え、硬い動きになりすぎて違和感が生まれます。


ここで必要な見解が“連動”です。

人間は各パーツに動きの軸となる部分が存在します。

その軸となる部分からより近い箇所から動き、遠い部分は遅れて動きます。
この部分をきちんと付けなければ現実空間を再現していることにはなりません。

背骨と同じタイミングで頭が動くと違和感を感じるのはこういった理屈です。

背骨の動きに合わせて頭も遅延させて動きをつけることで、この違和感を無くすことができます。


     どちらも少し大袈裟ではありますが、印象は変わったと思います。 

手足も同様です。 手ならば 肩→ひじ→手→指 足ならば 骨盤→ひざ→足→つまさき
このように動きが遅延して連動していきます。



4、連動は決してひとつのパーツに終わらない

一繋がりの人間のパーツについてお話しましたが、
決して人間のパーツはその部分だけが動くことはありません。

どこかが動けばバランスをとる為に必ず別の部分が連動して動くものです。

例えば右手を上げる動作をとる場合で考えます。

人間が右手を上げる為に必要な動作を、連動する箇所を挙げながら
順番に並べていきます。

体の右側を動かす為に、体の左側に力を入れます。
骨盤が少し左へ傾きます → 腰の位置が左足に少し近づきます → それにより重心が左へ傾く為左ふとももが張ります → 胴体が左へ傾きます → 左肩が下がります → 右肩があがります → バランスをとる為左ひじが体から離れます → 左手が体から離れます → 右ひじがあがります → 右手が上がります → 最後に右手の指がようやく上を向きます。



何度もやると肩が痛くなります。たまには肩を回しましょう。

*ポージングとは異なる視点のモノですので、このポーズを付けていくと自然になるわけではありません。
あくまで動きひとつひとつを切り分けて考えていきます。


一瞬の動作ですが細かく動作を書きだしていくと人間は腕をあげるだけでもこれだけ細かく体を動かしているかと思います。

実際に行ってみてください。
力を抜いて順番に行っていき、無理な体勢にならなければそれが自然な動きです。

もちろんキャラクターに投影するにはこれらを誇張または省略する必要が出てくるのですが、まずはこういったものへの観察を怠ってはいけません。

また、よりリアルなキャラクターにリアルな挙動をつけるためにはこれらを正確につけなければなりません。

キャラクターにこういった“連動”を再現する事で、現実空間の物理現象を
3D空間上により正確に表現することができます。



5、人間の各部の可動域、可動性を考える
             
1、各部の可動域

連動も重要だと思われますが、更により自然なアニメーションをつけるには
各部分の“可動域“なども考慮にいれなくてはなりません。


可動域が考えられていない例として

手首がありえない捻られ方をしている。
足首がありえない捻られ方をしている、またはひざがありえない方向を向いている。
胴体(腰、胸、肩)がそれぞれ左右に90度以上曲がっている、または位置がずれている。
骨が感じられない連動感をかましだしている。(意図もなくただふにゃふにゃしているなど)

「YO、YO おまえ膝とつま先別々の方向に向けれるかい?」


特に物理演算によるもの(ラグドール)などでキャラクターが倒れるシーンを見た事がある方    は、最後の項目での違和感を直に感じたのではないでしょうか。

例として腕の可動域を考えます。

腕は肩を中心に可動します。体がとても柔らかい人など特殊な例を除くとある程度自然に可動できる範囲は限られているものです。

例えば伸ばしきった左腕を背中のほうに引き、そのまま腕を曲げずに右手に触る事はできません。



腕を右手側に曲げるにも真上を向いていたひじを左に捻らないといけません。


前に出しても同様です。

また右、左手首を反り返しても、指は腕に触る事はできません。




物を押した時、立ちあがる時に地面に手をつく時、
無理な関節の曲げ方をしているとやはり無理な動きになってしまいます。


*机についた手に力を込めた状態から、上体を起こすという動作のポージングによる
変化の違い。

左側は起き上っているのに手の角度に全く変化がなく、手が固まって見え、
上体も無理にそらさないと手を伸ばせません。
これでは手を使って机を押しているようには見えません。

右側は手首の角度を意識した状態です。自然と手も離れていき、上体もしっかり起き上ってい   るのがわかります。

実際にやってみましょう。

周りから変な人と思われるくらい大袈裟にしてみてください。

どうでしょうか?指を使って手を離していく感覚は。

こういった可動域と連動との関係にも目を配り、観察しましょう。

この辺りの知識はまだまだ僕も考察中です。

本当に”リアル”なアニメーションの為には、人体の構造をきちんと把握する必要があり、
時には解剖学的視点から抑えなければならない場合もあるでしょう。

しかしそういった知識からアニメーションに入るには敷居が高すぎますし、
他にも演技や演出、キャラクター性など考えなければいけないところが山ほどあり、
プロでもそんな余裕はないと思います。

前述した通りデザイナーに必要なのは”観察力”です。

しかしこういったモノを見る力は、自然と養われるものではありません。
興味を持って観察しようとしてから初めて養われるものです。

始めは好きなものからでも結構です。

頭の先から指先、つま先にいたるまで普段のなにげない動作を一度見方を変えて
見てみてください。

客観的に見られる、それが”観察力”だと思います。


本日はここまでです。

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